連載 All about 日本のワクチン・7
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
川名 敬
1
1日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野
pp.702-705
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210093
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1.当該疾患の発生動向
ヒトパピローマウイルス(以下、HPV)は、全女性の約50-80%が一生に一度は感染している1)。年齢別の日本女性におけるHPV-DNA検査の陽性率は、10歳代が最も高率で30-40%にも及ぶ。その後、20歳代で20-30%、30歳代で10-20%、40歳代で5-10%、と年齢とともにDNA陽性率は見かけ上は減少する2)。
HPVには200種以上の遺伝子型(以下、タイプ)がある。子宮頸がんにおけるHPVタイプの分布は、HPV16型が約半数を占め、二番目に多いHPV18型は10-20%程度である。HPV45、31、33型がこれに続いている。その結果、子宮頸がん全体の約70%はHPV16、18型に起因する3)。
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