Japanese
English
特集 ワクチン対策の現状と課題
5.麻疹ワクチン,MRワクチン
Measles vaccine,Measles-Rubella combined vaccine
多屋馨子
1
Tanaka-Taya Keiko
1
1国立感染症研究所感染症情報センター 室長
キーワード:
特定感染症予防指針
,
検査診断
,
予防接種率
,
感染症法
,
感染症流行予測調査
Keyword:
特定感染症予防指針
,
検査診断
,
予防接種率
,
感染症法
,
感染症流行予測調査
pp.54-66
発行日 2013年1月25日
Published Date 2013/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201302054
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
2000~2001年の乳幼児を中心とした大流行,2007~2008年の10~20代を中心とした大流行を受けて,厚生労働省は麻疹に関する特定感染症予防指針を告示し,国をあげた対策が始まった。2008年から麻疹は感染症法に基づく全数報告疾患となり,中高生を対象とした2回目の定期接種が導入された。2009年以降,麻疹の患者報告数は激減し,麻疹輸出国と非難されてきたわが国も2011年頃から麻疹輸入国に転じている。今後は,流行国への渡航前に2回の予防接種を済ませておくこと,輸入されても感染拡大しないように2回の予防接種率を95%以上に上げておくことが重要である。さらに,麻疹ウイルスの直接検出による検査診断を全例に実施し,質の高いサーベイランスを実施するとともに,遺伝子型を決定して解析することで感染経路の推定にもつなげられる。また,1例発生したら迅速な対応を実施することで感染拡大を防止し,2015年度までに麻疹排除を達成し,その状態を維持することが目標である。