Japanese
English
特集 ワクチン対策の現状と課題
3.ポリオワクチン
Poliovirus vaccine
中野貴司
1
Nakano Takashi
1
1川崎医科大学小児科 教授
キーワード:
ポリオ
,
VAPP
,
経口生ポリオワクチン
,
不活化ポリオワクチン
,
四種混合ワクチン
Keyword:
ポリオ
,
VAPP
,
経口生ポリオワクチン
,
不活化ポリオワクチン
,
四種混合ワクチン
pp.37-45
発行日 2013年1月25日
Published Date 2013/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201302037
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ポリオ予防のワクチンは経口生ポリオワクチン(OPV)と不活化ポリオワクチン(IPV)がともに1950年代に開発された。OPVは血中中和抗体とともに腸管局所免疫も付与できる素晴らしい効果をもつワクチンであるが,頻度は低いものの,弱毒ワクチン株の神経病原性復帰によりワクチン関連性麻痺(VAPP)という副反応が起こる。一方,IPVではVAPPは起こらない。IPVは腸管局所免疫への期待は薄いがOPVに匹敵する免疫原性があり,同様の有効性が期待できる。現代はより安全なワクチンが待望され,OPVからIPVへの転換が行われている。わが国は海外に10年以上の遅れをとったが,最近2種類のIPVが導入された。世界で長年の経験のある単独IPVと,弱毒セービン株由来IPVを含有する四種混合ワクチン(DPT-IPV)である。これらについて概説する。
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