Japanese
English
特集 ワクチン対策の現状と課題
2.今後のBCG接種計画のあり方
The BCG vaccination programme of Japan. Recent problems and challenges
森亨
1
Mori Toru
1
1公益財団法人結核予防会結核研究所 名誉所長
キーワード:
小児結核/BCG接種/副反応/結核対策
Keyword:
小児結核/BCG接種/副反応/結核対策
pp.30-35
発行日 2013年1月25日
Published Date 2013/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201302030
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
わが国の結核罹患率はいまだに米国の5倍の水準にあり,わが国はまさに結核中進国である。しかし,小児の結核は米国の半分の水準であり,他の年齢に比して明らかに低い。これはBCG(Bacille de Calmette et Guérin)接種の普及によるところが大きい。2005年からBCG接種が生後3~5カ月に集中して行われるようになったが,その頃から,BCG接種の副反応,特に骨炎が増加しているように思われ,このような副反応による不利益と,BCG接種による小児結核の予防という便益とのバランスを考える必要がある。モデル計算によれば,わが国ではここしばらくは便益が不利益を明らかに凌駕しており,適正な接種を最大限の接種率をもって維持する必要がある。