第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗ウイルス薬
炭昌樹
1
,
寺田智祐
2
1滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部
2滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部・教授/薬剤部長
pp.297-303
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913297
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2018年には抗ウイルス薬として,抗インフルエンザウイルス薬であるバロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ(R))と,抗サイトメガロウイルス薬であるレテルモビル(プレバイミス(R))が上市された。 抗インフルエンザウイルス薬としてこれまで用いられてきたノイラミニダーゼ阻害薬とは異なる,新たな作用機序を有するバロキサビル マルボキシルは,治療開始早期に体内のウイルス量を低下させる点が大きな特徴と言える。一方,レテルモビルも新たな作用機序を有し,わが国で初めて同種造血幹細胞移植患者のサイトメガロウイルス感染症の発症抑制に適応を持つ抗ウイルス薬である。本稿では,これら画期的な2つの新薬について概説する。