第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗ウイルス薬
岡村祐嗣
1
,
板垣史郎
2
,
早狩誠
3
1弘前大学医学部附属病院薬剤部
2弘前大学医学部附属病院薬剤部副部長
3弘前大学医学部附属病院薬剤部教授・薬剤部長
pp.323-331
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413323
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抗HIV(human immunodeficiency virus)薬では,2013年5月にエルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠(スタリビルド®配合錠)が発売され,患者の服薬錠数や服薬回数の減少,それによる服薬アドヒアランスの向上が期待される。抗HCV(C型肝炎ウイルス)薬では2011年11月にテラプレビルが発売され,ペグインターフェロンにリバビリン,テラプレビルを加えた3剤併用療法が実施可能となった。さらに,高い抗ウイルス効果を持つ直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)が相次いで開発中であり,3剤併用療法に加えて,インターフェロンフリーのDAAs同士を組み合わせた治療法の検討が行われている。新規DAAsの市場投入により治療期間の短縮や副作用の軽減が達成され,治療の裾野が広がっていくことが期待される。