第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗てんかん薬
東間正人
1
1福井大学医学部病態制御医学講座精神医学領域・准教授
pp.651-654
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813651
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抗てんかん薬ラコサミドとペランパネルについて概説した。ラコサミドは2016 年に部分てんかんの併用治療として,2017 年には単剤治療薬として承認された。同薬剤はNa+チャネルブロッカーの一つであるが,従来薬がチャネルの急速な不活化に関与するのとは異なり,緩徐な不活化に関与する。一方,ペランパネルは,グルタミン酸AMPA(α- アミノ-3- ヒドロオキシ-5- メソオキシサゾール-4- プロピロン酸)受容体の非競合的拮抗薬であり,2016 年に部分および全般てんかんの併用治療に対して承認された。2017年には米国で単剤治療が承認され,本邦でも現在第Ⅲ相試験が行われている。両薬剤は,従来薬とは異なる新規の作用機序を有し,合理的併用治療の視点からも難治てんかんの治療に期待できる薬剤である。