第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗ウイルス薬
奥新和也
1
,
池田麻穂子
2
,
森屋恭爾
3
1東京大学医学部附属病院感染制御部
2東京大学医学部附属病院感染制御部 特任講師
3東京大学医学部附属病院感染制御部 教授
pp.502-512
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813502
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2017 年にはウイルス肝炎領域の新薬として,抗B 型肝炎ウイルス薬(ベムリディ®),抗C 型肝炎ウイルス薬(マヴィレット®)が上市された。抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)薬では,上記の抗B 型肝炎ウイルス薬と同一成分の薬剤と,既存の抗HIV 薬の合剤(デシコビ®)が上市された。
抗C 型肝炎ウイルス薬の新薬開発においては,これまでにGilead Sciences のハーボニー®,MSD のエレルサ®・グラジナ®,そしてAbbvie のマヴィレット® と,強力なDirect Acting Antivirals(DAAs)が席巻したことを受け,Jansen やMSD がPhase Ⅱまで進行していた新薬の開発中止を発表したことも記憶に新しい。このように,肝炎ウイルス治療薬は日進月歩であり,ダイナミックに変化している。抗HIV 薬は,ここ数年のsingle tablet regimen(1日1回1錠)への流れを維持しつつ,長期内服に伴う副作用をより軽減した組み合わせや新薬が模索されている。