連載 感染症診断と病理
常在性微生物をみる
堤寬
1
1つつみ病理相談所・所長
pp.1961-1972
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018091961
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外界に接する皮膚・粘膜には,細菌と真菌を主体とする常在微生物叢が分布する。原虫や節足動物(ダニ)も常在微生物の仲間となる。共生関係を示す常在微生物は,皮膚・粘膜の生理機能の発揮に少なからぬ貢献をしている。何らかの理由で,宿主と常在微生物の間のバランスが崩れると,常在微生物の過剰増殖とそれによる病変がもたらされる。本稿では,そんな善玉微生物の姿と,善玉微生物の変調による諸種の病変を提示する。巻頭図として,子宮頸部擦過細胞診にみられる代表的な腟内常在菌,デーデルライン桿菌(乳酸桿菌)を示す。