特集 免疫チェックポイント療法の新潮流
6.肺がん治療における位置付けと今後の展望
川村卓久
1
,
釼持広知
2
1静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科
2静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科 医長
pp.1843-1847
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018081843
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2018年6月現在,免疫チェックポイント阻害薬のうち肺がん治療において保険承認されているものは,4期非小細胞肺癌に対するニボルマブ,ペムブロリズマブ,アテゾリズマブおよび3期非小細胞肺癌に対するデュルバルマブである。一次治療での適応は,4期非小細胞肺癌においてPD-L1(programmed death-ligand 1)発現割合が50%以上の症例に対するペムブロリズマブ単剤療法のみである。EGFR/ALK 遺伝子変異などドライバー変異を持つ症例では,チロシンキナーゼ阻害薬など分子標的治療薬の使用が免疫チェックポイント阻害薬より優先される。今後,本邦においても,細胞障害性抗癌剤と免疫チェックポイント阻害薬の併用が標準一次治療として導入されることが予想される。