特集 実臨床へ向けた時間医薬研究の新動向
9.時間治療の実臨床への展開と課題
牛島健太郎
1
1自治医科大学医学部薬理学講座臨床薬理学部門・講師
pp.1465-1470
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018061465
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睡眠-覚醒サイクルに代表される生体リズムをはじめ,実臨床では疾患症状にも日内リズムのあることが古くから認識されていた。本特集の他稿でも紹介されているように,近年ではその日内リズムを形成する分子機構への理解が深まり,医薬への概日リズムの応用も期待されている。この日内リズムを考慮して薬物療法を構築するのが“時間治療(クロノセラピー)”であり,医薬品適正使用法の一つである。
本稿では,これまでに報告された時間治療研究の成績を紹介し,これらを通して明らかになってきた課題について概説する。