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昨年6月に,「未来投資戦略2017 ―Society 5.0の実現に向けた改革―」が閣議決定された。これまでの情報社会(Society 4.0)で問題とされてきた知識や情報の共有,分野横断的な連携をIoT(Internet of Things)で解決すると言う。内閣府によれば,Society 5.0で実現する社会は,「IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり,様々な知識や情報が共有され,今までにない新たな価値を生み出すことで,これらの課題や困難を克服します。また,人工知能(AI)により,必要な情報が必要な時に提供されるようになり,ロボットや自動走行車などの技術で,少子高齢化,地方の過疎化,貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて,これまでの閉塞感を打破し,希望の持てる社会,世代を超えて互いに尊重し合える社会,一人一人が快適で活躍できる社会となります。」とのことである。(内閣府のホームページhttp://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.htmlより抜粋,2018.02.26閲覧)。 これを薬剤師の業務に置き換えて考えてみると,まず医療データは全てサイバー空間において管理され,AIがそれら全ての情報を元に,診断から治療方針の決定,調剤,監査,一般的な注意事項の説明,検査値のモニタリングなどを行い,副作用の可能性を示唆することなどが予想される。そして,これは決して遠い未来の話ではなく,具体的なイメージができるほどに近い将来のことである。 さて,その時に医療を担う人材として活躍できる自信とスキルを備えている薬剤師はどれほどいるだろうか?