特集 精神科領域における薬物療法の現状と薬剤師の役割
5.認知症の薬物治療における薬剤師の役割
渡邊法男
1
,
山村恵子
2
1愛知学院大学薬学部臨床薬剤学 講師
2愛知学院大学薬学部臨床薬剤学 教授
pp.1029-1035
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018041029
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わが国では高齢化率が上昇するに伴い認知症患者数の増加が予測され,2025年には730万人に達すると推定されている。新オレンジプラン(2015年)の骨子である認知症の早期発見・早期対応のための体制整備および認知症の症状の進行に応じた服薬管理支援を実践するため,「薬剤師の認知症対応力向上」が求められている。 特に,認知症治療の中心となる薬物治療では,患者の副作用への不安,嚥下機能の変化,介護者の支援不足など,さまざまな要因が服薬アドヒアランスの低下に影響を与えている。そのため,薬剤師はもとより,患者支援に携わるスタッフが,服薬支援に関する情報を共有し,シームレスに対応できる医療連携体制を整えていくことが重要である。