特集 急増するアレルギー疾患の現状と今後の対策~アレルギー疾患対策基本法の推進に向けての展望~
7.皮膚アレルギー疾患対策の現状と課題
加藤則人
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学・教授
pp.295-298
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201802295
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
アトピー性皮膚炎は,乳幼児から青壮年の約1割が罹患する,アレルギー性皮膚疾患である。一般に慢性的な経過をたどるが,適切な治療によって多くの場合は症状のコントロールが可能である。症状がコントロールされた状態が長く維持されると,薬物療法が不要になることも期待できる。患者や,その養育者がアトピー性皮膚炎の病態や治療の意義を理解し,個々の状況に応じた適切な治療を受けるとともに,自己管理の手法を身につけることが重要である。そのためには,かかりつけ医と専門医が連携した医療体制の構築,国民や医療従事者,教職員等にWebサイト等を通じた情報提供や講習会等を国や自治体が中心となって提供していくことが求められる。