特集 急増するアレルギー疾患の現状と今後の対策~アレルギー疾患対策基本法の推進に向けての展望~
8.アレルギー疾患医療提供体制における薬剤師の役割と課題
村松章伊
1
1公益社団法人 日本薬剤師会・常務理事
pp.301-303
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201802301
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平成23年(2011年)のリウマチ・アレルギー対策委員会報告書によると,わが国全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患していることを示しており,急速に増加しているとの報告がある。アレルギー疾患により医療機関を受診する患者数も,もちろん増加傾向にある。また,その治療方法や治療薬も急速に変化しつつある。
医薬分業が進展し,院外処方せん発行率は平成27年(2015年)度には全国平均で70%を超え,その後もわずかではあるが増加中である。このように病院や診療所で投薬を受けていたものが,医師より発行された処方せんを持参して薬局で調剤を受けることが一般的になったこともあり,患者が医療機関を受診した時,一連の医療行為の最後の窓口は調剤を行う薬局ということになる。そこで薬剤師の果たす役割は,非常に重要となってくる。
すべての疾患に共通していることではあるが,日進月歩の医療界で医療に携わる関係者は常に最新の情報を入手して業務にあたらなければならないことは言うまでもない。本稿では,アレルギー疾患治療における薬剤師の役割とこれからの課題等を述べてみたい。