特集 アレルギー疾患対策
アレルギー疾患対策の課題と今後の推進方策
斎藤 博久
1
1国立成育医療研究センター研究所
pp.584-587
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208941
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はじめに
わが国では,数千万人の国民がアレルギー疾患に罹患している.これに対して,医療機関の診療レベルや地域の格差をなくし,全国どこでも,エビデンスに基づく診療や最新情報を受けることができることなどを目標とした「アレルギー疾患対策基本法」1)(以下,基本法)が制定された.また,厚生労働省において「アレルギー疾患対策協議会」2)(以下,協議会)が2016年2月3日から10回にわたって開催された.基本法を実施するための指針として,2017年3月21日には「アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針」3)(以下,指針)が策定された.現在,この指針に基づいて,さまざまな対策案が2018年度以降の予算に反映されつつあり,アレルギー疾患医療の提供体制は変わろうとしている.
筆者は,日本アレルギー学会の代表として協議会に推薦され,2018年1月までの2年間,会長を務めた.本稿では,この2年間に協議会で議論されたアレルギー疾患対策の課題と今後の推進方策について,私見を交えて解説する.
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