特集 安全で確実な不整脈治療 ~薬物治療・非薬物治療Update~
2.III群抗不整脈薬(静注薬)の適応と選択
網野真理
1
,
吉岡公一郎
2
1東海大学医学部内科学系循環器内科 准教授
2東海大学医学部内科学系循環器内科 教授
pp.1847-1855
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017081847
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「心肺蘇生(CPR)ガイドライン2015」(アメリカ心臓協会[AHA],ヨーロッパ心臓病学会[ESC])では,昇圧剤および電気ショックによる除細動が困難な心室細動(VF)/無脈性心室頻拍(VT)に対する抗不整脈薬としてアミオダロンが推奨されているが,その推奨度は高くはない。(クラスIIb)。根拠となるランダム試験(ARREST,ALIVE試験)は10年以上前に施行されたもので,ともにアミオダロンによる生存入院率が高いことを証明したものではあるが,生存退院率と神経学的転帰に関する検討はなされていない。この疑問点を解決するため,ROC-ALPS試験(2016年)では院外心停止例における難治性心室不整脈を対象とし,アミオダロンが生存退院に及ぼす効果を明らかにした。本稿ではROCALPS試験およびわが国のSOS-KANTO studyを中心に,III群抗不整脈薬の使用法について概説する。