特集 安全で確実な不整脈治療 ~薬物治療・非薬物治療Update~
1.I群抗不整脈薬
池田隆徳
1
1東邦大学大学院医学研究科循環器内科学・教授
pp.1839-1845
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017081839
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抗不整脈薬とは,心筋細胞膜の(イオン)チャネルまたは受容体に対して作用を有する薬剤を総称した呼び方である。しかし,一般にはチャネルに対する遮断作用を主とする薬剤(I群薬とIII群薬,場合によってはIV群薬も含める)を指すことが多い。頻脈性の上室性あるいは心室性不整脈の停止,または予防目的で使用される。ただし,近年のカテーテルアブレーションの技術的な進歩,さらには他の循環器薬に比べて副作用の管理が難しいこともあって,使用率は減少傾向にある。それぞれの抗不整脈薬で,適応となる不整脈や使用目的が異なるため,薬剤の特徴と作用機転をある程度理解しておかなければならない。同時に,それぞれの薬剤の禁忌例や特有の副作用を把握しておくことが,使用する上でのポイントとなる。