連載 薬剤師による処方設計(54)
小児および成人てんかん患者におけるトピラマートの母集団薬物動態解析とその臨床応用
竹内理人
1
,
矢野育子
2
,
松原和夫
3
1京都大学医学部附属病院薬剤部
2京都大学医学部附属病院薬剤部 特任病院准教授
3京都大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長
1〔京都大学薬学部臨床薬学教育分野〕
2〔神戸大学医学部附属病院薬剤部・准教授/副薬剤部長〕
pp.899-903
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201703137
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新規抗てんかん薬の一つであるトピラマートは,さまざまな作用機序を有するため,多様な発作型に対して効果を示すことが期待されている。その血漿中濃度は,患者の腎機能や体重,酵素誘導薬との併用などにより影響を受けることが報告されている。そこで,てんかん患者のTDM(治療薬物モニタリング)データを用いてトピラマートの母集団薬物動態解析を行い,その変動因子を検討した。その結果,クリアランスを体重の「べき乗」とすることで,小児と成人を同一のモデル式で表すことができ,併用薬剤の寄与率を明らかにした。また,構築されたモデルを用いて,さまざまな患者群を想定した血中濃度シミュレーションを行い,トピラマートの個別化投与設計のための情報を得た。