シンポジウム 慢性関節リウマチの前足部変形に対する治療
外反母趾を伴うRA患者の前足部変形に対する母趾MTP関節固定術
工藤 洋
1
,
岩野 邦男
1
Hiroshi KUDO
1
,
Kunio IWANO
1
1国立相模原病院整形外科
pp.554-560
発行日 1975年7月25日
Published Date 1975/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905206
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
慢性関節リウマチ(以後RAと略す)における基本的な前足部の変形は外反母趾,槌趾,開張足等であり,長期罹患の患者にはごく普通に見られるものである.その変形の程度は様々で軽度あるいは中等度の場合は保存的治療にて十分対処できるが,高度の変形に伴う歩行障害や疼痛に対しては時に手術的治療が必要となる.
このようなRA患者の前足部の愁訴に対して,Hoffmann1)が1911年に中足骨頭を切除する手術術式を発表しているが,それ以来多くの著者による報告があり,少しずつ手術法に改変が加えられて今日に至つている.しかしそれ等はすべて基本的には,先に述べた前足部の変形を,中足趾節関節(以後MTP関節と略す)を中心とした骨切除によつて矯正しようとするいわゆるresection arthroplastyである点では共通している.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.