特集 高コレステロール血症治療の現状と展望
5.プロブコール
増田大作
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
pp.855-860
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201703093
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高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)の低値は,冠動脈疾患の独立した危険因子であるが,数値だけでなく引き抜き能など,HDL粒子の機能異常も重要である。この HDLの抗動脈硬化作用は,動脈硬化プラークから引き抜かれたコレステロールを肝臓へと取り戻す,コレステロール逆転送系の活性化が重要視されている。プロブコールはコレステロール低下作用のみならず,抗酸化作用やコレステロール引き抜き作用,黄色腫改善作用や抗糖尿病作用などが示され,動脈硬化に対する治療薬として最注目されている。家族性高コレステロール血症の心血管イベント抑制作用も示され,現在高コレステロール血症患者に対する二次予防検討が進行中である。