iatrosの壺
プロブコールが奏効したLipoprotein Glomerulopathy
雨森 正記
1
1竜王町国民健康保険診療所弓削出張所
pp.395
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905670
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血清コレステロール700mg/dl以上,トリグリセライド(TG)1,000mg/dl以上という著明な高脂血症の患者さんが入院してきた.蛋白尿もみられ,腎生検の結果lipoprotein glomerulopathy(LG)と診断された.文献上,LGの高脂血症に対して薬物は効果があるが,蛋白尿に対しては無効とされていた.また,この患者さんほど著明な高脂血症の症例は報告されていなかった.
この患者さんは,この病気は薬の副作用によって起こったものだと思っており,「医者からもらった薬のわかる本」の愛読者であった.高脂血症に対して薬を投与しようとしたが,最初は頑なに拒否された.そのため患者さんとよく相談し,その本に副作用の少ない薬として掲載されていたプロブコールを使うことにした.
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