小特集 実地診療におけるリアルワールドエビデンスの意義と課題~実際の活かしかた,具体的な注意点:循環器領域を中心に~
3.リアルワールドエビデンスの紹介:XAPASSの概要
池田隆徳
1
1東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野・教授
pp.112-119
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201701112
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心房細動患者の心原性脳塞栓症の予防において,新規の直接作用型経口抗凝固薬の使用率が急速に延びている。第III相臨床試験(治験)で新規の経口抗凝固薬が,従来のワルファリンと比べて同等以上の効果があることが示されたためである。治験は厳格な管理下で行われるが,さまざまな環境下で使用される市販後のリアルワールドでも同様の効果が得られるかは疑問である。現在,リアルワールドでの新規の経口抗凝固薬の効果を検証するため,いくつかの臨床研究が行われているが,その一つとしてリバーロキサバンの効果を検証したXAPASS(Xarelto post-authorization safety & effectiveness study in Japanese patients with atrial fibrillation)研究がある。中間集計ではあるが,リアルワールドでの使用においても,治験と同様あるいはそれ以上の安全性と有効性が示されている。