特集 移行期医療~小児期から成人期への円滑な橋渡しを目指して~
5.発達障害
平岩幹男
1
1Rabbit Developmental Research・代表/公益社団法人日本小児保健協会・副会長/理事
pp.79-82
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201701079
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発達障害の移行期医療は,残念ながら円滑であるとは言い難い。その理由としては,①移行期である思春期には二次障害を呈することがあり,その解決にしばしば長期間を要するが,どこが思春期をカバーするかは明確ではない,② 二次障害の症状が先行し,背後にしばしば発達障害が存在するが,その場合には発達障害自体への適切な支援につながりにくい,③ 告知や受容の必要な時期についての社会的合意がない,④ 就学,就労支援についての国の施策は変化しているが周知されていない,⑤ 性別違和など周辺の症状への社会的理解が少ない,などによると考えられる。現時点で即効性のある対応策はないが,まずは問題点の認識から始まると考える。