特集 移行期医療~小児期から成人期への円滑な橋渡しを目指して~
6.染色体異常症
水野誠司
1
1愛知県心身障害者コロニー中央病院小児内科・部長
pp.83-88
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201701083
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本稿では,ダウン症候群,ターナー症候群,マルファン症候群,プラダーウィリー症候群の移行期医療について述べる。いずれも染色体や遺伝子の変化による疾患,いわゆるGenetic disordersの一つであり,多臓器にわたる合併症の治療や予防が一生涯必要である。 近年,このような遺伝性稀少疾患に対して,指定難病などの制度的支援体制が整備されつつあり,生涯の健康管理が推進されているが小児科担当医が総合的にフォローアップする小児期と比べ,成人の診療科は細分化されているために円滑な移行が難しい。移行においては,小児医療と成人医療の両者が平行して診療する時期を経ることが望まれる。 ここでは各疾患の小児期から移行期の医療の要点を述べる。