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第22回日本薬剤疫学会学術総会総会テーマ「医療リアルワールドデータ時代における疫学」
pp.26-37
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201701026
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第22回日本薬剤疫学会学術総会が2016年11月18~ 20日,京都市内のみやこめっせ(京都市勧業館)で開催された。総会テーマは「医療リアルワールドデータ時代における疫学」,総会長は京都大学大学院医学研究科薬剤疫学教授・川上浩司氏。近年,薬剤疫学を巡る環境は目覚ましく進化し,また医療に関する社会環境も大きく変化している。特にここ数年で,医療現場で得られる各種情報から,比較的リアルタイムに二次利用可能なデータベースが構築され,それに基づいた臨床研究を実施できるようになってきた。こういった現実の医療そのものを反映するデータ,即ち「リアルワールドデータ」の蓄積を背景に,従来のような限定的な既存資料を基盤とした疫学研究では成し得なかった,精度の高い医療・薬剤評価が可能となり,薬剤疫学研究にパラダイムシフトがもたらされている。総会では,これらの医学・医療研究が直面する変革について,会長講演でその現状が報告されたほか,薬剤疫学が製薬企業の日常業務にどのように活かされているかに関するシンポジウムも催され,関係者の間で活発に討議された。