小特集 超高齢社会を迎える日本での骨粗鬆症治療戦略
5.長期持続型ビスホスホネート薬による骨粗鬆症治療
田中栄
1
1東京大学医学部整形外科・教授
pp.2327-2332
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201610131
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骨吸収抑制薬であるビスホスホネート(BP)薬は,中心的な骨粗鬆症治療薬として広く用いられている。骨粗鬆症患者においてBP薬が十分な骨折予防効果を発揮するためには,治療の継続が必要であるが,BP薬の服薬アドヒアランスは必ずしも高いものではない。アドヒアランスを向上させる目的で,これまでさまざまな長期持続型BP薬が開発されてきた。ゾレドロン酸は最も強い骨吸収抑制作用を有するBP薬であり,さまざまな臨床試験から年1度の投与で椎体骨折,非椎体骨折,大腿骨近位部骨折の予防効果を示すことが示されている。一方で,投与時急性期反応や顎骨壊死,腎障害などの副作用には注意が必要である。