検査の昔ばなし
インフルエンザウイルスの動物実験
福見 秀雄
1
1国立予防衛生研究所
pp.542-543
発行日 1976年7月1日
Published Date 1976/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201113
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インフルエンザウイルスは今では,サルの腎臓細胞や鶏胚細胞をはじめ種々の培養細胞で感染実験や感染中和実験を行うことができるし,また広く孵化鶏卵も使用されている.しかしかつてはフェレットとマウスとが主要な感染,感染免疫実験の道具であった.しかもフェレットは実験動物としてはかなり扱い難かったので,普通の場合には専らマウスが実験動物として使用されていた.
従って当時インフルエンザワクチンの検定には,やはり免疫マウス血清のマウスによる中和実験が用いられていた.インフルエンザウイルスによるマウスの感染は経鼻ルートで行われる.マウスをエーテルで麻酔し,鼻からウイルス液を吸い込ませて肺に感染を起こさせるのである.インフルエンザワクチンの検定を私たちは最初この方法で実施していた.1950年前後のころである.
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