特集 Onco-nephrology ~腫瘍学と腎臓病学の融合~
6.腫瘍内科医と腎臓内科医の協働 1)腫瘍内科医の立場から
下方智也
1
,
安藤雄一
2
1名古屋大学医学部附属病院化学療法部
2名古屋大学医学部附属病院化学療法部 教授
pp.2087-2090
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201609093
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Onco-nephrologyが新たな診療領域として認識されるようになり,腫瘍内科医と腎臓内科医が協働して診療にあたることが求められるようになった。腫瘍内科医の立場からは特に,がん患者に合併する急性腎障害や慢性腎臓病,体液・電解質異常,透析の評価・管理について,また抗がん薬治療においては腎障害時の投与量調節やスケジュール,薬剤性腎障害の予防や治療について,腎臓内科医に専門的な提言を期待している。また新規抗がん薬の開発が進み,次々に臨床応用されているが,これらは従来の抗がん薬とは異なる機序で腎障害をきたすことがある。腎臓内科医はonco-nephrologyへの意識を高め,がん薬物療法のチーム医療に積極的に参加して欲しい。