特集 薬剤疫学 ~医療ビッグデータの利活用~
6.ナショナル・レセプト・データベースを用いた医薬品使用実態研究
飯原なおみ
1
1徳島文理大学香川薬学部医療薬学講座・教授
pp.1881-1886
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201608089
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ナショナル・レセプト・データベース(NDB)は全国民の診療情報を網羅しており,どこの施設を受診したかに関わらず患者単位で情報を一元化できるため,薬歴情報として優れており,その上,乳児から高齢者まですべての年代を解析対象にできる。このNDBから抽出された,サンプリングデータセット「医科入院外レセプト」を用いて,運転等禁止および注意医薬品の使用実態研究を行った。サンプリングデータセット「医科入院外レセプト」は,1カ月分の短期間のレセプト情報であるが,患者の代表性に優れ,また,調剤レセプトも付いており,外来患者の処方実態調査に適している。今後,サンプリングデータセットが長期間の情報を保有するものに改善されて薬剤疫学研究に活用されやすくなり,医薬品の開発や適正使用が進むことを期待する。