特集 PK/PDに基づく薬物療法と新薬開発の最前線
7.DPP-4阻害剤 リナグリプチンのPK/PD解析
唯保祐介
1
,
更科晶子
1
,
多々見真司
2
1日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 医薬開発本部 臨床薬物動態部
2日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 医薬開発本部 臨床薬物動態部 部長
pp.1681-1686
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201607091
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PK/PD(pharmacokinetics/pharmacodynamics)解析とは,薬物の用量と薬物の濃度との関係を記述したPKモデルと作用部位における薬物の濃度と効果との関係を記述したPDモデルとを関連づけたPK/PDモデルを構築することで,血中濃度と効果との関係を明らかにすることが目的の解析である。最近では,構築したPK/PDモデルを基に薬効予測を行うモデリング&シミュレーション(M&S)の手法が汎用されている。M&Sにより,種々の用法・用量での効果の予測や,次相の試験デザインの立案,申請時の用法・用量の根拠として活用することで,医薬品開発の効率化に貢献することが期待されている。 本稿では,PK/PD解析の事例として,血糖降下剤であるDPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4)阻害剤リナグリプチンについて概説する。