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糖尿病診療支援システムシンポジウム2016 糖尿病患者の臨床データを共有・活用 適正診療からエビデンス創出まで可能に
pp.1410-1417
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12016061410
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糖尿病診療支援システム研究会は5月21日,京都市内のアークレイ株式会社京都研究所で,「糖尿病診療支援システムシンポジウム2016」(協賛:アークレイマーケティング株式会社)を開催した。シンポジウムのテーマは,「ICT(情報通信技術)を基盤とした糖尿病診療支援システムの構築」で,糖尿病患者の臨床データを医療者が共有することにより,日常診療の最適化だけでなく,地域医療の拡充や,新たな治療エビデンスの構築にも貢献できる可能性が討議された。2012年の国民健康・栄養調査によれば,糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)は約950万人,糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)は約1,100万人と推計され,糖尿病治療の重要性は増すばかりとなっている。さらに,医療の中心を病院から地域へとシフトする国策の下,糖尿病患者を継続的に治療するためには,医療機関同士の患者情報の共有が欠かせない時代となった。チーム医療において,医療従事者が患者を総合的にケアしていくためにも,電子媒体を含めた情報基盤の構築は不可欠であり,そこで得られた臨床データの解析は,国内での大規模臨床研究への道も開くだろう。シンポジウムでは,専門医,地域医療,全国的疫学研究というそれぞれの領域で,臨床データの共有がどのような可能性を秘めているかが報告された。