連載 ●副作用・薬物相互作用トレンドチェック
注目論文を読み解く(47)
佐藤宏樹
1
,
澤田康文
2
1東京大学大学院薬学系研究科育薬学講座
2東京大学大学院薬学系研究科育薬学講座 教授
キーワード:
● 乳酸アシドーシス,低ナトリウム血症,CYP3A4,食事,横紋筋融解症,内臓血管性浮腫
Keyword:
● 乳酸アシドーシス,低ナトリウム血症,CYP3A4,食事,横紋筋融解症,内臓血管性浮腫
pp.936-941
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201603936
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〔今月の注目論文のポイント〕 1.敗血症のためリネゾリドを投与された患者において,投与開始15日目に乳酸アシドーシスを起こし,最終的に死亡した症例が報告されている。 2.てんかんのためレベチラセタムを投与された患者において,重度の低ナトリウム血症を呈し,中止により回復した症例が報告されている。 3.健康成人を対象とした試験において,レスベラトロールの併用によりカルバマゼピンの血漿中濃度が上昇し,CYP(チトクロムP450)3A4 を介した相互作用が示唆されている。 4.健康成人を対象とした試験において,食事2時間後にアビラテロンを投与したところ,空腹時投与と比較して血漿中濃度が顕著に上昇したことが報告されている。 5.スタチン服用中の慢性腎疾患患者において,フェブキソスタット投与により横紋筋融解症を呈し,中止により回復した症例が報告されている。 6.高血圧症のためエナラプリルを投与されていた患者において,腹痛,嘔吐,下痢を繰り返し,2年後に内臓血管浮腫が判明した症例が報告されている。