連載 薬剤師が知っておくべき臓器別画像解析の基礎知識 61
10.骨分野 4)骨硬化性疾患(腫瘍を除く)Paget病,melorheostosisなどの画像診断
平尾眞
1
1大阪大学大学院医学系研究科 整形外科
キーワード:
骨硬化性疾患,骨吸収,骨形成
Keyword:
骨硬化性疾患,骨吸収,骨形成
pp.5-8
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201601005
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骨硬化性疾患は,骨吸収低下に伴うものと骨形成亢進に伴うものに大別される。骨吸収障害に伴う代表的な遺伝性骨硬化性疾患が,大理石骨病である。一方,骨形成の亢進に基づく骨硬化性疾患にEndosteal hyperostosis(骨内膜性骨化過剰症)があり,van Buchem disease,sclerosteosis,endosteal hyperostosis(Worth type)などが含まれ,責任分子としてWntシグナル経路の構成因子が同定され,骨量制御におけるWntシグナルの重要性が認識されるようになった。しかし,melorheostosisのように,遺伝子の異常は指摘されるも,病態はいまだ不明の疾患も存在する。また,骨吸収障害(異常な亢進)とそれに引き続く過剰な骨形成(骨リモデリングの異常)が生じる結果, 骨微細構造の変化と骨の形態的な腫大・変形とそれに伴う局所骨強度の低下をきたす疾患が骨パジェット病(Paget's disease of bone)である。