第 I 部 新薬創出における日本医療研究開発機構(AMED)の役割
1.総論 ~創薬立国の実現のために~
髙久史麿
1
1日本医学会・会長
pp.234-237
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513234
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わが国が創薬立国となるためには,薬の開発をblockbuster drug modelからunmet medical needsに変更すること,特に標的治療の手段となる,疾患に特有な遺伝子の変化を対象とする薬剤の開発が重要であり,基礎医学と臨床医学と製薬メーカーの各研究者がお互いに情報交換をする機会を持つことがtranslational researchの促進のために必要であることなどを述べた。さらに創薬のためには,公的資金による援助を現在よりもはるかに増加させ,その資金が新たに創設される日本医療研究開発機構を介して創薬のために有効に使われることを強く期待する。わが国の基礎医学の研究レベルが高いことは発表論文の質・量から明白な事実であるが,の結果を創薬に如何に効率良く応用するかが,わが国における創薬立国実現の鍵となることを強調したい。