特集 創刊50周年記念特集 医薬品開発における産官学連携の展望
1.総論 1)医学研究者の立場から
矢﨑義雄
1
1学校法人 国際医療福祉大学・総長
pp.2311-2314
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201510061
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医学研究の飛躍的な進歩は,医薬品開発の戦略に大きな変革をもたらした。すなわち,製薬企業がシーズの探索から製品化までを自社内で行ってきた従来型から,革新的な医学研究の成果を直接取り込んで医薬品を開発する新しい戦略への転換である。そこでは,多様な分野の組織,機関,企業さらには行政が協働で開発に関わるオープンイノベーション,いわゆる産官学の連携が中心となり,医学研究者の一層の活躍が期待される。 このようなプロセスで開発されたのが,今日新薬の主流となっているがんの分子標的薬や生物製剤である。新しい潮流にわが国がどう対応するか,国際的にも注目されている課題になっている。