特集 創刊50周年記念特集 医薬品開発における産官学連携の展望
序文:日本再興を目指した産官学連携の医薬品開発
佐々木均
1
1日本医療薬学会会頭/長崎大学病院薬剤部教授・薬剤部長
pp.2309-2310
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201510059
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医薬品開発は,ハイリスク・ハイリターンの産業である。製薬企業は開発の効率化を目指し,合併による資本の巨大化,新技術の導入,規制の国際標準化を進めてきた。21世紀に入り,遺伝子や蛋白質の構造解析,バイオ技術などの先端科学が進み,病態のメカニズム解明から医薬品が次々開発され,新しいビジネスモデルとなった。製薬企業は誕生したベンチャー企業の買収や大学支援を強めることで,創薬シーズの発掘と育成を進めている。研究の中心を担う大学によるアカデミア創薬への期待は高い。産官学の連携の下,わが国では大学の創薬シーズを育てる環境整備や,企業への橋渡し事業を積極的に進め,産業の活性化を図っている。