連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART Ⅰ.院内製剤(72)
がん性疼痛に対する10w/v%アセトアミノフェン懸濁化液剤 作製に関する検討
梅下翔
1
1金沢市立病院薬剤室
pp.139-141
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201507139
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がん性疼痛緩和に高用量のアセトアミノフェンを使用する際,錠剤の大きさや苦味は,頻回の服用になるほど患者への負担は大きなものとなる。この問題点を解決し,かつ簡便で実践可能な製剤として,10w/v%アセトアミノフェン懸濁化液剤について検討した。懸濁化剤は2w/v %カルボキシメチルセルロースナトリウムを用い,家庭用ミキサーを使用し,速やかな分散ができた。また0.8%スクラロースあるいは1%サッカリンナトリウムやアセスルファムカリウムと食用フレーバーの添加により,苦味が軽減できた。本方法は特殊な薬品や器具を用いないため,病院や薬局の規模を問わず高用量アセトアミノフェン服用が可能となり,患者のQOL(quality of life)の向上に寄与できると考えられる。