特集2 がん薬物療法の最前線 ~抗体医薬品を中心に~
10.抗RANKL抗体と骨転移治療
柴田浩行
1
1秋田大学大学院医学系研究科臨床腫瘍学講座・教授
pp.147-149
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501147
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
骨転移への放射線照射や外科手術,病的骨折,脊髄圧迫などの骨関連事象(Skeletal related events:SRE)を抑制する薬剤として,抗receptor activator of nuclear factor κB ligand(RANKL)抗体デノスマブが本邦でも承認された。デノスマブはRANKL阻害を介して,破骨細胞による骨吸収を抑制する。臨床試験ではビスホスホネートを上回る成績も報告された。有害事象には腎毒性,低カルシウム血症,顎骨壊死などがある。RANKLRANKシグナルは腫瘍細胞,腫瘍免疫においても重要な役割を演じており,これらを利用した治療戦略も現在,検討されている。