特集2 がん薬物療法の最前線 ~抗体医薬品を中心に~
9.造血器腫瘍における抗体療法
畠清彦
1
1公益財団法人がん研究会がん化学療法センター臨床部・部長
pp.135-145
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501135
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2000年にリツキシマブが初めて抗体療法に承認されてから,この領域では多くの抗体医薬が承認され,今後も開発されていく。奏効率の向上,無増悪期間の延長,QOL(qualty of life)の改善,生存期間または生存率の向上をもたらした。その後,新たなCD20抗体医薬オファツムマブや,CD33抗体医薬ゲムツズマブ,ゼヴァリンが承認された。さらに最近では日本初の抗CCR4抗体医薬モガムリズマブがATLL(成人T細胞性白血病リンパ腫)に対するセカンドライン治療として,承認された。CD30抗体にMMAEという抗癌剤を結合させたantibody drug conjugate(ADC)製剤もホジキンリンパ腫などに承認された。本稿では,現在臨床試験中で,今後有望な抗体医薬についても触れた。