特集2 がん薬物療法の最前線 ~抗体医薬品を中心に~
1.がん薬物療法の開発動向と抗体医薬品の位置付け
渡邊清高
2
,
関順彦
2
2帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科 病院教授
pp.81-86
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501081
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がんの分子標的治療における薬物療法の位置付けについて,これまでの歴史的背景を踏まえて概説した。分子標的治療は,がん治療の個別化に向け新たな時代を迎えつつあり,発がんの分子メカニズムや標的となる分子の同定が治療開発の基礎となる。抗体医薬品は細胞表面に発現した標的分子を抗原抗体反応により認識し,生体内の免疫機構を利用して細胞障害作用を発揮する。一方,診断精度を向上させ治療効果を高める分子マーカーの開発も精力的に進められており,基礎研究から臨床応用に至る切れ目のない包括的な創薬開発研究と相まって,今後抗がん剤の薬物療法の基軸となると考えられる。