特集2 がん薬物療法の最前線 ~抗体医薬品を中心に~
2.血管新生を阻害する固形がん治療の抗体療法
加藤俊介
1
,
三浦佳代
2
,
山口茂夫
2
1順天堂大学医学部腫瘍内科学研究室 教授
2順天堂大学医学部腫瘍内科学研究室
pp.87-95
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501087
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血管新生阻害は,固形がんの薬物療法における分子標的の重要な柱の一つとなっている。抗体医薬品では血管内皮細胞増殖因子(VEGF)経路に対する薬剤開発が進んでおり,VEGF-Aの中和抗体であるベバシズマブは,大腸がん,扁平上皮がんを除く非小細胞肺がん,乳がん,悪性膠芽腫,卵巣がん,腎がんに対し,VEGF-A, -Bおよび胎盤増殖因子(PlGF)に結合する融合蛋白質のzib-afliberceptは,大腸がんに,さらに受容体であるVEGFR-2に結合するramucirumabは,胃がん,非小細胞肺がんに対してそれぞれ有望な成績を収めている。本稿ではこれまでに行われた大規模臨床試験を解説し,これら薬剤の適応と課題についてまとめてみた。