第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗不整脈薬
中谷晴昭
1
1千葉大学大学院医学研究院中核研究部門呼吸・循環治療学研究講座薬理学・教授
pp.457-462
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413457
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抗不整脈薬の主な治療対象は致死的心室性不整脈と心房細動に絞られつつある。カテーテルアブレーションや植え込み型除細動器等による不整脈の非薬物療法が進歩するにつれて,以前のように,すべての不整脈を抗不整脈薬で治療しようとする努力はなされなくなっており,的確な診断と抗不整脈薬の選択が必要になってきている。救急の場での重篤な心室性不整脈の治療にはアミオダロンを中心としたIII群抗不整脈薬が用いられるようになっている。心房細動のリズムコントロールを目指して新しい心房細動治療薬の開発が試みられているものの,いまだ成功していない。副作用が少ないことから,不整脈の発生を未然に防ぐアップストリームアプローチも重要な治療戦略になっている。不整脈の治療を,薬物療法,非薬物療法を含めたトータルマネージメントとして考慮すべき時代となってきている。