特集 特集 miRNAの実力:診断から治療まで
7.miRNAの発現抑制による骨肉腫を含むがん治療への応用
藤 原
1
,
尾 崎
2
,
川 井
3
,
落 谷
4
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生体機能再生・再建学講座整形外科腫瘍グループ
2岡山大学病院新医療研究開発センター
3国立がん研究センター中央病院骨軟部腫瘍・リハビリテーション科・外来医長
4国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野・分野長
pp.2851-2858
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201412097
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近年,あらゆるがん種におけるmicroRNA(miRNA)の発現異常が明らかになり,その機能異常が,がんの発生および進展と深く関与していることが示されている。さらに,がん促進性の機能を示すmiRNAには抗miRNA分子による機能抑制を,がん抑制性の機能を示すmiRNAについては合成miRNA分子の導入を行うことにより,新たながん治療への取り組みが進められ,「miRNA医薬」のがん治療への可能性が期待されている。
本稿では,がんに対するmiRNA治療について解説し,骨肉腫を中心に,これまでにがんモデル動物を用いた前臨床的検討について概説する。