特集 医薬経済,費用対効果研究とヘルステクノロジーアセスメント(HTA)
8.心血管イベントの一次予防としてのスタチンの費用対効果研究と政策応用
大西佳恵
1
,
川上浩司
2
1クリエイティブ・スーティカル株式会社・日本代表
2京都大学大学院医学研究科 社会保健医学系専攻 薬剤疫学分野・教授
pp.2663-2667
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201411111
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スタチンが,一次予防において心血管疾患発症を抑制することは,数々の大規模臨床試験で検証されている。脂質異常症患者は年々増加の傾向にあり,心血管発症リスクの高い患者から低い患者まで,さまざまな患者が存在する。
日本にはスタチン治療中の患者を含め,約1,800万人の潜在的な脂質異常症患者が存在すると推測される。スタチン治療をいつどのような患者へ開始するかは,医学的な観点はもとより経済的な評価が必要となる。
日本でもさまざまな循環器疫学コホート研究に基づいた心血管疾患の発症予測が報告されており,費用対効果研究などの医療経済研究への適用が可能であり,その研究結果が医療政策の意思決定の一助となることが望まれる。