特集 医薬経済,費用対効果研究とヘルステクノロジーアセスメント(HTA)
7.製薬企業における医薬経済研究の事例
安立憲司
1
1バイエル薬品株式会社 マーケットアクセス本部 医療経済&アウトカムス研究 部長
pp.2657-2660
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201411105
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医薬経済研究によって医薬品関連の総合的な価値を評価し,限られた医療資源のより効率的な利用を促すエビデンスが提供できる。製薬企業における医薬経済学研究の目的は,例えば,医薬品の保険収載・償還,価格交渉,および医療機関や公的・民間保険機関での処方・償還を認める医薬品リストの検討など,製薬企業外部での意思決定を行うためのエビデンスを提供するものであったり,開発初期の段階で効率的な研究開発資源の配分を決定する製薬企業内部の意思決定を行うための情報提供などがある。今後さらに多様化するステークホルダーの要求に応えるためには,研究のバイアスを排除し,透明性を保証し,かつエビデンスの受け手にとって分かりやすく,さまざまな環境下で利用できるよう,その普及に努めることが一層重要になる。