医薬ジャーナル論壇
医療情報の環境整備と戦略的利活用
佐々木均
1
1長崎大学病院薬剤部・教授/薬剤部長
pp.2373-2375
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014102373
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日本は地域全体を「1つの総合病院」とし,医療と介護を連携させた包括的ケアを目指している。このためには医療資源の適正配置だけではなく,情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)による効率化が必須である。世界では情報社会の大規模データや公的情報を利活用し,効率改善や新産業創出を進めている。知的集約型産業のICTが世界経済をけん引する。日本のICT産業は労働集約型であるため国際競争力が乏しく,早急な改革に迫られている。今,日本は総合的な電子カルテシステムが普及し,医療情報クラウド化やマイナンバー制度導入の決定など,医療情報を利活用する最大のチャンスを迎えた。医療者とICT関係者が相互理解を深め,患者および生活者への便利で安心・安全な医療・健康提供を期待したい。