特集 睡眠・眠りの基礎と臨床
4.概日リズム睡眠障害を考える
鈴木正泰
1
,
内山真
2
1日本大学医学部精神医学系
2日本大学医学部精神医学系主任教授
pp.1567-1571
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201406081
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概日リズム睡眠障害(CRSD)は,体内時計の変調,あるいは体内時計と睡眠時間帯との不整合によって睡眠の障害が生じ,QOL(quality of life)低下が引き起こされた状態である。体内時計の発振する概日リズム自体の変調によって生じる内因型と,これに逆らったスケジュールで生活することによって生じる外因型に大別され,前者には睡眠相後退型,前進型,不規則睡眠-覚醒型,自由継続型が,後者には時差型,交代勤務型が含まれる。CRSDの治療は,体内時計と外的環境の同調を促す生活指導を基本とし,個々の症例に合わせて高照度光療法,薬物療法,時間療法を行う。CRSDは,就学・就労上,深刻な問題に発展することから,睡眠医学を専門としない医療関係者においても,広く認知されることが望まれる。