特集 がん領域における注意すべき医薬品副作用のメカニズムと対応
1.抗がん剤投与時の制吐対策
飯原大稔
1
,
鈴木昭夫
2
,
伊藤善規
3
1岐阜大学医学部附属病院薬剤部
2岐阜大学医学部附属病院薬剤部副薬剤部長
3岐阜大学医学部附属病院薬剤部薬剤部長
pp.1155-1162
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201404073
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抗がん剤により誘発される悪心・嘔吐は,がん化学療法が行われている患者に高頻度に見られ,患者の生活の質(quality of life:QOL)を低下させる要因の一つとなっている。本稿では抗がん剤による悪心・嘔吐の発現機序,国内外の制吐対策ガイドラインで示されている制吐対策について概説するとともに,自施設にて最近報告した5-HT3受容体占有理論に基づく5-HT3受容体拮抗薬の適正用量について,5-HT3拮抗薬内服薬と注射薬の制吐効果に関する非劣性比較試験の結果を,さらに,抗がん剤反復投与レジメンでの制吐薬の適正使用について紹介する。