連載 目から鱗のがん薬物療法—薬学的視点からみたケーススタディ[2]
制吐療法の標準化と院内ガイドラインの策定
林 稔展
1,2
1国立病院機構九州医療センター薬剤部
2前:国立病院機構九州がんセンター薬剤部
pp.180-183
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200063
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薬剤師が提案する制吐療法の標準化
・がん化学療法の効果を最大限に引き出すためには、適切な支持療法などによる「副作用マネジメント」がカギとなります。多くの抗がん薬に共通する有害事象である悪心・嘔吐(chemotherapy induced nausea and vomiting;CINV)については、国内外で制吐療法のガイドライン(GL)ⅰ〜ⅳが公開され、催吐リスクに応じた制吐療法が推奨されています。
・2008年当時、九州がんセンターでは、高度催吐性リスク(high emetic risk chemotherapy;HEC)や中等度催吐性リスク(moderate emetic risk chemotherapy;MEC)の化学療法に対しては、概ねGLに準拠した制吐療法が行なわれていました。しかし、軽度催吐性リスクの化学療法(low emetic risk chemotherapy;LEC)に対する制吐療法は、処方する医師や診療科によってバラバラでした。
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